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参院選での自民党の重点公約にこんな記述がありました。
<新憲法制定を推進する>
1、新憲法制定の推進
次期国会から衆参両院に設置される「憲法審査会」の議論を主導しつつ、平成22年の国会において憲法改正案の発議をめざし国民投票による承認を得るべく、新憲法制定推進の国民運動を展開する。平成22年とは2010年のこと。なるほど、国民投票法の凍結期間3年が過ぎたらすぐ改憲したいのか。だから
「憲法審査会」の議論を主導することが大事なんですね。つまり原案までいかなくてもガンガンやっていくぞ!ということですね。法案審議で指摘されたことを今になって堂々認めるとは…この卑怯ものめ!!
ここで言いたいのはあくまで国会が発議するのは憲法改正案なんですよ、ということ。国民投票法も憲法改正のための国民投票法であって、憲法96条も憲法改正手続を定めた条項なんです。しかし自民党は結党以来自主憲法制定を党是とし、2005年秋に『新憲法草案』なるものを出して、今年の参院選でも新憲法制定の推進を掲げているのです。
そんなコトバの問題どうでもいいではないか?とも聞こえそうですがどうでもよくないと思うのです。
新たに憲法を制定するということは革命、クーデター、戦争・内戦により政治体制の根本的な変革が生じたときに行われるのが一般的なことです。今の日本のような「平時」に新憲法を制定した例は、まずないのです。60年間一度も改正されていないから変えるなんていいますが、100年でも200年でも政治体制の根本的な変革をもたらすようなことがなければそのまま憲法だって維持されてかまわないのです。ではなぜ今、新憲法制定なのか。
日本国憲法の制定過程の一面をとらえ「押し付け憲法」と決め付け、だから国民の手による新たな憲法を制定すると言うのは改憲の理由にならないことは憲法調査会の報告書でも認められました。そうすると今の権力者たち=憲法を守る義務がある人たちにとって憲法が障害物となっているからこそ新たな憲法を制定する必要性があるのでないでしょうか?憲法により縛られるのが国家から国民へと変わり、自由に国民を支配できる体制へと、体制変革=レジームチェンジをしたいのではないでしょうか?自民党の『新憲法草案』なるものは支配権力側に都合のいい憲法に変えたい意図がでています。
現行憲法否定の体制変革=レジームチェンジを憲法改正の名で行うことは憲政への挑戦ともいうべき行為でしょう。立憲主義を否定する憲法観の導入を試みることは個々の政策論争以前の問題で憲法尊重擁護義務を果たしているとは言るものではありません。憲法96条では「
この憲法と一体を成すもの」として天皇が国民の名で公布することになっているのです。だから基本原理を変えることは想定していません。しかし、それが強行され社会に溶け込めば「新憲法」として市民権を得ることになってしまうのです。だから改憲の是非を最終決定する国民の判断はとても重要で慎重でなければならないと思うのである。
日本国憲法は「
政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることがないようにすることを決意し、ここに主権が国民の存することを宣言し、憲法を確定」したのだ。そして、「
そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるもであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する」ものとし、続けて「
これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらはこれに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する」としたことを忘れてはならない。
参照:浦部法穂『憲法学教室』日本評論社
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